Watch
A vintage watch that you can enjoy and cherish for a long time
From the perspective of a watch repair technician, we select vintage watches that can be enjoyed for a long time to come, such as those that use durable movements and are able to be repaired in the future.
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僕が思うNo.1 ラバーベルト『トロピックラバー』
ラバーベルトというと、スポーティでカジュアルなイメージを持たれる方も多いと思います。僕もそのうちの一人で、ラバー特有のカジュアルな雰囲気が、ヴィンテージウォッチやドレッシーな時計と合わせづらかったり、自身のファッションのコーディネートに取り入れづらいと感じていました。 とはいえ、汗をかく暑い季節にレザーベルトをすることは、どうしても不快感があったり、レザーベルト自体を劣化させてしまうことにもつながります。 『もっと上品な雰囲気のラバーベルトがあればなぁ…』 そんな想いを抱えたまま、自分でラバーベルトを使うこともなければ、ウチムラでも一切セレクトしてきませんでした。このラバーベルトに出会うまでは… 『トロピックラバー』 元々、トロピックラバーとは、1950年代〜70年代にかけて、トロピック社というベルトメーカーが製造していたラバーベルトのことで、当時は様々なブランドの時計に幅広く使われていたと言われています。 現在では多くのメーカーがトロピックラバーをリプロダクトしていますが、僕がセレクトしているのは、その中でも特に完成度が高いと感じたフランスメーカーの一本です。 およそ5年前、このラバーベルトを見つけた時はかなりの衝撃でした。 『これならラバーベルトの機能性を活かしながら、時計を上品に楽しむことができる…』 そう思い、すぐにフランスから特別に取り寄せてもらったほどです。 僕が思う、このトロピックラバーの素晴らしい点は大きく3つ。 ラバーベルトらしくない質感 ベルト表面に非常に細かなバスケットチェックの模様が施されています。これによりラバーベルト特有のツルっとした質感が抑えられ、マットで落ち着いた印象に。良い意味で“ラバーらしくない"雰囲気があります。 高い機能性 裏面に施された特徴的な加工、これをワッフル加工といいます。肌との接地面を少なくすることで蒸れにくい構造になっており、また規則的に配置された通気孔によって、汗などの水気が抜けやすくなっています。 素材はフッ素ゴムを使用しているため、特有のしなやかさがあり、肌馴染みも非常に良いです。それでいて耐久性にも優れており、実用面でも非常によく考えられています。 上品さを感じるデザイン ラバーベルトとしては珍しく、時計のラグ側から先端に向かってしっかりとテーパーの効いたデザイン。これによりスポーティすぎず、どこか上品さを感じる仕上がりになっています。 さらに絶妙なのが、ベルトを通すループ部分。ラバーベルトとしては極細めにデザインされており、これが全体の雰囲気を綺麗にまとめてくれています。 ロードマーベル36000 × トロピックラバー 僕がご提案しているヴィンテージセイコーにはもちろん、多くの時計に馴染みやすく、軽やかな抜け感も加えてくれます。 グランドセイコー...
僕が思うNo.1 ラバーベルト『トロピックラバー』
ラバーベルトというと、スポーティでカジュアルなイメージを持たれる方も多いと思います。僕もそのうちの一人で、ラバー特有のカジュアルな雰囲気が、ヴィンテージウォッチやドレッシーな時計と合わせづらかったり、自身のファッションのコーディネートに取り入れづらいと感じていました。 とはいえ、汗をかく暑い季節にレザーベルトをすることは、どうしても不快感があったり、レザーベルト自体を劣化させてしまうことにもつながります。 『もっと上品な雰囲気のラバーベルトがあればなぁ…』 そんな想いを抱えたまま、自分でラバーベルトを使うこともなければ、ウチムラでも一切セレクトしてきませんでした。このラバーベルトに出会うまでは… 『トロピックラバー』 元々、トロピックラバーとは、1950年代〜70年代にかけて、トロピック社というベルトメーカーが製造していたラバーベルトのことで、当時は様々なブランドの時計に幅広く使われていたと言われています。 現在では多くのメーカーがトロピックラバーをリプロダクトしていますが、僕がセレクトしているのは、その中でも特に完成度が高いと感じたフランスメーカーの一本です。 およそ5年前、このラバーベルトを見つけた時はかなりの衝撃でした。 『これならラバーベルトの機能性を活かしながら、時計を上品に楽しむことができる…』 そう思い、すぐにフランスから特別に取り寄せてもらったほどです。 僕が思う、このトロピックラバーの素晴らしい点は大きく3つ。 ラバーベルトらしくない質感 ベルト表面に非常に細かなバスケットチェックの模様が施されています。これによりラバーベルト特有のツルっとした質感が抑えられ、マットで落ち着いた印象に。良い意味で“ラバーらしくない"雰囲気があります。 高い機能性 裏面に施された特徴的な加工、これをワッフル加工といいます。肌との接地面を少なくすることで蒸れにくい構造になっており、また規則的に配置された通気孔によって、汗などの水気が抜けやすくなっています。 素材はフッ素ゴムを使用しているため、特有のしなやかさがあり、肌馴染みも非常に良いです。それでいて耐久性にも優れており、実用面でも非常によく考えられています。 上品さを感じるデザイン ラバーベルトとしては珍しく、時計のラグ側から先端に向かってしっかりとテーパーの効いたデザイン。これによりスポーティすぎず、どこか上品さを感じる仕上がりになっています。 さらに絶妙なのが、ベルトを通すループ部分。ラバーベルトとしては極細めにデザインされており、これが全体の雰囲気を綺麗にまとめてくれています。 ロードマーベル36000 × トロピックラバー 僕がご提案しているヴィンテージセイコーにはもちろん、多くの時計に馴染みやすく、軽やかな抜け感も加えてくれます。 グランドセイコー...
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カルティエ マストタンク (Cartier Must Tank) とは|時計修理技師が提案する...
時計修理技師である私がご提案する『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』。そのラインナップの一つが、カルティエマストタンクです。 (安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチについては、こちらのブログで詳しく書いておりますので、ぜひご覧ください) カルティエ マストタンク(Cartier Must Tank)とは カルティエマストタンクは、1917年に誕生した名作「タンク」の普遍的なデザインを受け継ぎながら、1977年に登場したモデル。 それまでのタンクシリーズは金無垢ケースを基本としたラグジュアリーウォッチであり、限られた層だけが手にする存在でした。そこでカルティエが打ち出したのが、シルバーケースに金張りを施した“マストタンク”という新しい提案でした。 つまりマストタンクは、「タンクの美しさをそのままに、より多くの人が楽しめるようにしたモデル」です。 私が時計修理技師としてカルティエマストタンクを選ぶ理由 私がセレクトしている他のヴィンテージウォッチと同じく、カルティエマストタンクも時計修理技師としての修理経験と視点からセレクトしています。選定にあたって特に重視しているのは、次の3つのポイントです。 ・丈夫なムーブメントが使われているか ・今後も修理を継続できる構造であるか ・修理部品を確保する仕組みづくりが可能か これらの基準を満たしているモデルのひとつが、カルティエマストタンクでした。 カルティエマストタンクにはクォーツ(電池式)と機械式がありますが、私の修理経験上で優れていると感じたのはクォーツです。この年代のマストタンクに採用されているクォーツムーヴメントは、構造が非常にシンプルで、一つ一つのパーツも丈夫という特徴があり、結果として故障が少ない信頼性の高いムーヴメントです。 さらに、今後の修理部品の確保についても私の中で見通しが立つと判断し、カルティエマストタンクの中でもクォーツタイプのみをセレクトし、ご提案しています。 カルティエマストタンク(Cartier Must Tank)のサイズとデザイン カルティエマストタンクのサイズについては、SMサイズ(27mm×20mm)とLMサイズ(30mm×23mm)をセレクトしています。 2つのサイズ差は縦横ともに3mm程。ラグジュアリーでアクセサリー要素の強い時計ですので、このサイズ差であればお好みで選んでいただいて良いかと思います。 女性はファッションスタイルや好みに合わせてSM・LMどちらでも選ばれる方が多く、男性はLMサイズを上品に合わせる方が多い印象です。また、ご夫婦やパートナーでLMサイズを共有されるケースもあり、楽しみ方の幅が広いサイズ感だと思います。 カルティエマストタンク(Cartier Must...
カルティエ マストタンク (Cartier Must Tank) とは|時計修理技師が提案する...
時計修理技師である私がご提案する『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』。そのラインナップの一つが、カルティエマストタンクです。 (安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチについては、こちらのブログで詳しく書いておりますので、ぜひご覧ください) カルティエ マストタンク(Cartier Must Tank)とは カルティエマストタンクは、1917年に誕生した名作「タンク」の普遍的なデザインを受け継ぎながら、1977年に登場したモデル。 それまでのタンクシリーズは金無垢ケースを基本としたラグジュアリーウォッチであり、限られた層だけが手にする存在でした。そこでカルティエが打ち出したのが、シルバーケースに金張りを施した“マストタンク”という新しい提案でした。 つまりマストタンクは、「タンクの美しさをそのままに、より多くの人が楽しめるようにしたモデル」です。 私が時計修理技師としてカルティエマストタンクを選ぶ理由 私がセレクトしている他のヴィンテージウォッチと同じく、カルティエマストタンクも時計修理技師としての修理経験と視点からセレクトしています。選定にあたって特に重視しているのは、次の3つのポイントです。 ・丈夫なムーブメントが使われているか ・今後も修理を継続できる構造であるか ・修理部品を確保する仕組みづくりが可能か これらの基準を満たしているモデルのひとつが、カルティエマストタンクでした。 カルティエマストタンクにはクォーツ(電池式)と機械式がありますが、私の修理経験上で優れていると感じたのはクォーツです。この年代のマストタンクに採用されているクォーツムーヴメントは、構造が非常にシンプルで、一つ一つのパーツも丈夫という特徴があり、結果として故障が少ない信頼性の高いムーヴメントです。 さらに、今後の修理部品の確保についても私の中で見通しが立つと判断し、カルティエマストタンクの中でもクォーツタイプのみをセレクトし、ご提案しています。 カルティエマストタンク(Cartier Must Tank)のサイズとデザイン カルティエマストタンクのサイズについては、SMサイズ(27mm×20mm)とLMサイズ(30mm×23mm)をセレクトしています。 2つのサイズ差は縦横ともに3mm程。ラグジュアリーでアクセサリー要素の強い時計ですので、このサイズ差であればお好みで選んでいただいて良いかと思います。 女性はファッションスタイルや好みに合わせてSM・LMどちらでも選ばれる方が多く、男性はLMサイズを上品に合わせる方が多い印象です。また、ご夫婦やパートナーでLMサイズを共有されるケースもあり、楽しみ方の幅が広いサイズ感だと思います。 カルティエマストタンク(Cartier Must...
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時計修理技師が提案する『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』
時計修理技師である私がヴィンテージウォッチの提案に至ったきっかけ 私は2010年に家業に入り、時計修理技師としての道をスタートしました。ここから約10年間は、お客様からお預かりした時計の修理にひたすら向き合う、いわゆる “時計修理店” としての日々でした。 普段使いの時計のメンテナンス、ご家族から受け継がれた時計や長く眠っていた時計の再生など、さまざまなご依頼をお受けする中で、多かったものの一つが他店やネットオークションで購入されたヴィンテージウォッチの修理でした。 当時の私は『なぜ購入したお店に修理をお願いしないのだろう?』と不思議に思っていましたが、お客様にお話を伺ううちに、その理由が見えてきました。 ・修理部品がなく、購入店では修理ができなかった ・修理してもらったが状態が改善せず「ヴィンテージだから仕方ない」と言われた ・ネット購入のため、どこへ修理に出すべきかわからない 大きく分けると、そんな声がほとんどでした。お店のスタイルに正解・不正解があるわけではありませんが、私の感覚としては『自分がお客様にご提案するものは、最後まで責任を持ちたい』という、当たり前とも思える想いが強くありました。そして、それがあまりにも行われていないヴィンテージウォッチ業界の現状に、強い違和感を覚えたのです。 また、自分なりに時計修理技師として日々技術を磨いていく中で、無責任にヴィンテージウォッチを販売したお店の “尻拭い” をするような状況にも、やはり本望ではないという想いがありました。 『自分が本当に時間を使うべきこと、お客様のためにやるべきことは、もっと別にあるのではないか』 そう考えるようになったのです。 もちろん他店購入された時計の修理を全てお断りする意図はまったくありません。これはあくまで 自分の中で持っておくべき "心構え" としての話です。 そして同時に「ヴィンテージウォッチに興味はあるけれど、踏み出せない…」という方が非常に多いことにも気づき『もっと安心して使えるヴィンテージウォッチがあればいいのに』と思うようになりました。 ヴィンテージウォッチを楽しむための『安心』とは 私が考えた「安心」は、大きくわけて3つです。 ①時計修理技師から直接話を聞けること 実際に分解・整備している時計修理技師ほど、その時計の状態を深く理解している人はいません。現物を前に、状態や整備内容について直接話ができることは、お客様にとって大きな安心につながると思います。 ②購入後も同じ時計修理技師に相談できること 使用する中でトラブルが起きても、時計の状態を把握している時計修理技師にすぐに相談できることは、永く使ううえで心強いことだと思います。...
時計修理技師が提案する『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』
時計修理技師である私がヴィンテージウォッチの提案に至ったきっかけ 私は2010年に家業に入り、時計修理技師としての道をスタートしました。ここから約10年間は、お客様からお預かりした時計の修理にひたすら向き合う、いわゆる “時計修理店” としての日々でした。 普段使いの時計のメンテナンス、ご家族から受け継がれた時計や長く眠っていた時計の再生など、さまざまなご依頼をお受けする中で、多かったものの一つが他店やネットオークションで購入されたヴィンテージウォッチの修理でした。 当時の私は『なぜ購入したお店に修理をお願いしないのだろう?』と不思議に思っていましたが、お客様にお話を伺ううちに、その理由が見えてきました。 ・修理部品がなく、購入店では修理ができなかった ・修理してもらったが状態が改善せず「ヴィンテージだから仕方ない」と言われた ・ネット購入のため、どこへ修理に出すべきかわからない 大きく分けると、そんな声がほとんどでした。お店のスタイルに正解・不正解があるわけではありませんが、私の感覚としては『自分がお客様にご提案するものは、最後まで責任を持ちたい』という、当たり前とも思える想いが強くありました。そして、それがあまりにも行われていないヴィンテージウォッチ業界の現状に、強い違和感を覚えたのです。 また、自分なりに時計修理技師として日々技術を磨いていく中で、無責任にヴィンテージウォッチを販売したお店の “尻拭い” をするような状況にも、やはり本望ではないという想いがありました。 『自分が本当に時間を使うべきこと、お客様のためにやるべきことは、もっと別にあるのではないか』 そう考えるようになったのです。 もちろん他店購入された時計の修理を全てお断りする意図はまったくありません。これはあくまで 自分の中で持っておくべき "心構え" としての話です。 そして同時に「ヴィンテージウォッチに興味はあるけれど、踏み出せない…」という方が非常に多いことにも気づき『もっと安心して使えるヴィンテージウォッチがあればいいのに』と思うようになりました。 ヴィンテージウォッチを楽しむための『安心』とは 私が考えた「安心」は、大きくわけて3つです。 ①時計修理技師から直接話を聞けること 実際に分解・整備している時計修理技師ほど、その時計の状態を深く理解している人はいません。現物を前に、状態や整備内容について直接話ができることは、お客様にとって大きな安心につながると思います。 ②購入後も同じ時計修理技師に相談できること 使用する中でトラブルが起きても、時計の状態を把握している時計修理技師にすぐに相談できることは、永く使ううえで心強いことだと思います。...
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Lord Marvel 36000 (ロードマーベル36000) とは / Vintage S...
これまで15年程、時計修理技師として様々な時計と向き合ってきましたが、ヴィンテージウォッチの中で、世界で一番モノづくりが良いと感じたのは、ヴィンテージセイコーのロードマーベル36000でした。 1967年〜1978年、SEIKOの高級ラインとして製造されていたロードマーベル36000。元々あったマーベルシリーズの一つとして誕生しました。 『ハイビートムーヴメントを初採用』 スイス製時計が高級、高性能の代名詞であった1960年代、SEIKOは"世界に挑戦する時計"として、ハイビートムーブメント(テンプといわれる部品が高速で振動する機構。この振動数が高いと時計の精度が上がる)を開発。 60年代後半には、精度(時を刻む正確さ)を争う世界コンクールで頂点に立ちました。それ以降、コンクールが廃止されたのは、日本製時計に脅威を感じたスイスが、自国ブランドの価値を守るためであったとも言われています。 このハイビートムーヴメントを日本で初めて採用した時計がロードマーベル36000でした。8振動以上をハイビートと呼びますが、ロードマーベル36000は10振動。テンプと呼ばれる部品が1秒間に10回振動、それを1時間に換算すると36000回。この数字がロードマーベル36000の名前の由来にもなっています。 『時計修理技師として感じるロードマーベル36000の素晴らしさ』 ロードマーベル36000にはCal.5740というムーヴメントが採用されています。僕が時計修理技師として感じる素晴らしさは『丈夫に作った部品を極めてシンプルに組み上げている』ということです。 まず、部品の丈夫さというのは、素材である金属の質が大きく影響します。混ぜる金属の割合などによって、硬度や耐摩耗性は変わるため、設計が同じ歯車であったとしても、摩耗していくスピードは全く異なります。ロードマーベル36000は、歯車にしても、受け板(金属の板)一枚にしても、とても丈夫に作られています。 前述で、ロードマーベル36000はハイビートムーヴメントを採用していることをお伝えしましたが、時計は一般的に振動数が上がるのに比例して、部品への負担が大きくなり、摩耗しやすくなります。そのため、現代の時計でも10振動を採用している時計はごくわずかです。 これを前提とすると、ロードマーベル36000は摩耗しやすいムーヴメントに該当するはずですが、僕の修理経験上、そのようなことはほぼありませんでした。これもロードマーベル36000の丈夫さを確信させるエピソードの一つです。 よくネットで目にする『ハイビートは摩耗しやすく、壊れやすい』という情報は、一定正しいと思いますが、ハイビートの時計全てがイコールではないということは、お伝えしたいことです。 ロードマーベル36000を始め、僕がセレクトしているキングセイコーやグランドセイコーのモデルも、ハイビートでありながら摩耗が非常に少ないというのが実際のところです。 そしてシンプルな組み上げについて。 時計というのは、ムーヴメントによってそれぞれ構造が違います。"針を回す"というゴールは同じでも、そこまでのアプローチは本当に千差万別。 その中でもロードマーベル36000は、極めてシンプルに動力を伝える構造になっています。 これは僕の考えになりますが『可能な限り長い期間、時刻を正確に示し続ける』という時計の本質においては『丈夫な部品を極めてシンプルに組み上げる』というアプローチが最も正しいと思います。 結果的に、ロードマーベル36000は、50年以上経っていても、適したメンテナンスを行うことで、現代の一般的な機械式時計以上に、日差(機械式時計の1日における遅れ・進みの度合い)が少ないということも起きています。 『ロードマーベル36000のデザイン』 ロードマーベル36000のデザインは、シンプルなことが特徴の1つです。シンプルで普遍的なデザインは、飽きが来ないということや、様々なベルトに合わせやすいという良さがあります。 また、ケースサイズが34ミリと、現代のメンズサイズよりも少し小さめです。まだ海外の時計文化が入りきる前の時代ということもあり、日本人の体格に本質的に合ったサイズであり、ファッションにも取り入れやすいスタイルだと思います。 『ロードマーベル36000のラインナップ』 これまでお伝えしてきたことが、僕がご提案している『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』のラインナップに、ロードマーベル36000を入れた理由でもあります。最後にそのラインナップをご紹介したいと思います。マットブラックのモデルについては、ウチムラのオリジナルカスタムです。 ...
Lord Marvel 36000 (ロードマーベル36000) とは / Vintage S...
これまで15年程、時計修理技師として様々な時計と向き合ってきましたが、ヴィンテージウォッチの中で、世界で一番モノづくりが良いと感じたのは、ヴィンテージセイコーのロードマーベル36000でした。 1967年〜1978年、SEIKOの高級ラインとして製造されていたロードマーベル36000。元々あったマーベルシリーズの一つとして誕生しました。 『ハイビートムーヴメントを初採用』 スイス製時計が高級、高性能の代名詞であった1960年代、SEIKOは"世界に挑戦する時計"として、ハイビートムーブメント(テンプといわれる部品が高速で振動する機構。この振動数が高いと時計の精度が上がる)を開発。 60年代後半には、精度(時を刻む正確さ)を争う世界コンクールで頂点に立ちました。それ以降、コンクールが廃止されたのは、日本製時計に脅威を感じたスイスが、自国ブランドの価値を守るためであったとも言われています。 このハイビートムーヴメントを日本で初めて採用した時計がロードマーベル36000でした。8振動以上をハイビートと呼びますが、ロードマーベル36000は10振動。テンプと呼ばれる部品が1秒間に10回振動、それを1時間に換算すると36000回。この数字がロードマーベル36000の名前の由来にもなっています。 『時計修理技師として感じるロードマーベル36000の素晴らしさ』 ロードマーベル36000にはCal.5740というムーヴメントが採用されています。僕が時計修理技師として感じる素晴らしさは『丈夫に作った部品を極めてシンプルに組み上げている』ということです。 まず、部品の丈夫さというのは、素材である金属の質が大きく影響します。混ぜる金属の割合などによって、硬度や耐摩耗性は変わるため、設計が同じ歯車であったとしても、摩耗していくスピードは全く異なります。ロードマーベル36000は、歯車にしても、受け板(金属の板)一枚にしても、とても丈夫に作られています。 前述で、ロードマーベル36000はハイビートムーヴメントを採用していることをお伝えしましたが、時計は一般的に振動数が上がるのに比例して、部品への負担が大きくなり、摩耗しやすくなります。そのため、現代の時計でも10振動を採用している時計はごくわずかです。 これを前提とすると、ロードマーベル36000は摩耗しやすいムーヴメントに該当するはずですが、僕の修理経験上、そのようなことはほぼありませんでした。これもロードマーベル36000の丈夫さを確信させるエピソードの一つです。 よくネットで目にする『ハイビートは摩耗しやすく、壊れやすい』という情報は、一定正しいと思いますが、ハイビートの時計全てがイコールではないということは、お伝えしたいことです。 ロードマーベル36000を始め、僕がセレクトしているキングセイコーやグランドセイコーのモデルも、ハイビートでありながら摩耗が非常に少ないというのが実際のところです。 そしてシンプルな組み上げについて。 時計というのは、ムーヴメントによってそれぞれ構造が違います。"針を回す"というゴールは同じでも、そこまでのアプローチは本当に千差万別。 その中でもロードマーベル36000は、極めてシンプルに動力を伝える構造になっています。 これは僕の考えになりますが『可能な限り長い期間、時刻を正確に示し続ける』という時計の本質においては『丈夫な部品を極めてシンプルに組み上げる』というアプローチが最も正しいと思います。 結果的に、ロードマーベル36000は、50年以上経っていても、適したメンテナンスを行うことで、現代の一般的な機械式時計以上に、日差(機械式時計の1日における遅れ・進みの度合い)が少ないということも起きています。 『ロードマーベル36000のデザイン』 ロードマーベル36000のデザインは、シンプルなことが特徴の1つです。シンプルで普遍的なデザインは、飽きが来ないということや、様々なベルトに合わせやすいという良さがあります。 また、ケースサイズが34ミリと、現代のメンズサイズよりも少し小さめです。まだ海外の時計文化が入りきる前の時代ということもあり、日本人の体格に本質的に合ったサイズであり、ファッションにも取り入れやすいスタイルだと思います。 『ロードマーベル36000のラインナップ』 これまでお伝えしてきたことが、僕がご提案している『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』のラインナップに、ロードマーベル36000を入れた理由でもあります。最後にそのラインナップをご紹介したいと思います。マットブラックのモデルについては、ウチムラのオリジナルカスタムです。 ...