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YUICHI TOYAMA.の背景にあるもの — 外山雄一さんに聞く

YUICHI TOYAMA.の背景にあるもの — 外山雄一さんに聞く

私たちがYUICHI TOYAMA.のメガネと出会って、およそ4年。お客様へのご提案や、実際に自分たち自身も使い続ける中で、その魅力を少しずつ体感してきました。 デザインの美しさと、道具としての機能性。そのどちらかに偏るのではなく、バランスを大切にされていること。そして、メガネの背景にある哲学やこだわりにも、私たちウチムラが大切にしていることと通じるものを感じています。 今回、YUICHI TOYAMA. Trunk Showを開催するにあたり、改めてこのブランドのことを深く知りたい。その想いで青山にある旗艦店を訪ね、ブランドオーナー兼デザイナーである外山雄一さんに、お話を伺いました。 YUICHI TOYAMA.の空間に込めた想い MIKI : 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます! さっそくですが、青山の旗艦店は『YUICHI TOYAMA.』にとってどのような場所なのでしょうか。空間に込めた想いや、こだわったポイントについて教えてください。 外山さん : (以下敬称略)YUICHI TOYAMA.の頭の中であり、皆さんとの接点ですね。一番は、YUICHI TOYAMA.というメガネが、どんな思考や哲学ででき上がっているのかを体感できる空間にしたかった。それが旗艦店というものだろうな、と僕はずっと考えていました。 この店のテーマのひとつが "工芸品としてのメガネ" という提案です。僕自身、30年以上眼鏡に関わり、デザインをしてきましたが、眼鏡って、人の手を介してつくられている部分がすごく大きいんですよね。製造工程も多いし、手仕事によって生まれる部分がたくさんあります。 ただ、それをそのまま工芸という見せ方にしてしまうと、お土産屋さんっぽくなってしまう。だから、もっと自然に感じてもらえるようにしたかったんです。 空間をつくるうえでは、お客様とのファーストコンタクトとなる「目の動線」「匂い」「音」をかなり意識しています。 例えば、店に入って最初に目にするのは橋本君の作品と伊達冠石のメイン什器です。 その後ろにメガネが見えてくる。当たり前なんですけど、メガネ店に入ると、どうしても最初にメガネを見てしまうじゃないですか。だから、あえて最初からメガネを強く見せないようにしています。 視覚だけではなく、香りはオリジナルのインセンスを製作していますし、音にもこだわっています。Taguchiのスピーカー「REX」を使って、普通のスピーカーのように正面から音が当たるのではなく、美術館のように頭の上から音を浴びるような感覚にしています。BGMはyahyelのミル君に製作してもらいました。 外から見たときは全面ガラス張りで、なるべくシームレスに見えるようにしている。でも、中へ入った瞬間には、ガラッと空気が変わる。入りやすいんだけど、一歩入ると空気が変わる。その中でリラックスしながら、よりメガネにフォーカスして集中して選んでもらう。そういう体験をつくりたかったんです。 MIKI:お店の中で、外山さん自身が特に好きな場所はありますか? 外山:もちろんどこにいても好きなんですけど、一番は剣持さんの一人掛けのソファですね。...

YUICHI TOYAMA.の背景にあるもの — 外山雄一さんに聞く

私たちがYUICHI TOYAMA.のメガネと出会って、およそ4年。お客様へのご提案や、実際に自分たち自身も使い続ける中で、その魅力を少しずつ体感してきました。 デザインの美しさと、道具としての機能性。そのどちらかに偏るのではなく、バランスを大切にされていること。そして、メガネの背景にある哲学やこだわりにも、私たちウチムラが大切にしていることと通じるものを感じています。 今回、YUICHI TOYAMA. Trunk Showを開催するにあたり、改めてこのブランドのことを深く知りたい。その想いで青山にある旗艦店を訪ね、ブランドオーナー兼デザイナーである外山雄一さんに、お話を伺いました。 YUICHI TOYAMA.の空間に込めた想い MIKI : 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます! さっそくですが、青山の旗艦店は『YUICHI TOYAMA.』にとってどのような場所なのでしょうか。空間に込めた想いや、こだわったポイントについて教えてください。 外山さん : (以下敬称略)YUICHI TOYAMA.の頭の中であり、皆さんとの接点ですね。一番は、YUICHI TOYAMA.というメガネが、どんな思考や哲学ででき上がっているのかを体感できる空間にしたかった。それが旗艦店というものだろうな、と僕はずっと考えていました。 この店のテーマのひとつが "工芸品としてのメガネ" という提案です。僕自身、30年以上眼鏡に関わり、デザインをしてきましたが、眼鏡って、人の手を介してつくられている部分がすごく大きいんですよね。製造工程も多いし、手仕事によって生まれる部分がたくさんあります。 ただ、それをそのまま工芸という見せ方にしてしまうと、お土産屋さんっぽくなってしまう。だから、もっと自然に感じてもらえるようにしたかったんです。 空間をつくるうえでは、お客様とのファーストコンタクトとなる「目の動線」「匂い」「音」をかなり意識しています。 例えば、店に入って最初に目にするのは橋本君の作品と伊達冠石のメイン什器です。 その後ろにメガネが見えてくる。当たり前なんですけど、メガネ店に入ると、どうしても最初にメガネを見てしまうじゃないですか。だから、あえて最初からメガネを強く見せないようにしています。 視覚だけではなく、香りはオリジナルのインセンスを製作していますし、音にもこだわっています。Taguchiのスピーカー「REX」を使って、普通のスピーカーのように正面から音が当たるのではなく、美術館のように頭の上から音を浴びるような感覚にしています。BGMはyahyelのミル君に製作してもらいました。 外から見たときは全面ガラス張りで、なるべくシームレスに見えるようにしている。でも、中へ入った瞬間には、ガラッと空気が変わる。入りやすいんだけど、一歩入ると空気が変わる。その中でリラックスしながら、よりメガネにフォーカスして集中して選んでもらう。そういう体験をつくりたかったんです。 MIKI:お店の中で、外山さん自身が特に好きな場所はありますか? 外山:もちろんどこにいても好きなんですけど、一番は剣持さんの一人掛けのソファですね。...

Miki's 小話 『自己紹介』

Miki's 小話 『自己紹介』

オプティカルスタイリストのMikiです。 内村眼鏡店の3代目である私ですが、メガネ業界には、メガネ学校を卒業してそのまま業界一筋、という方が多い中、珍しくいくつかの業界を経験し、今に至ります。 『こんな経歴だからこそ出来るご提案があるのではないか……』 Miki's 小話は、そんなことを思うメガネ屋の箸休め的な投稿として、2023年からInstagramでゆるりと始めました。 大変嬉しいことに、ご来店いただいたお客様から『Mikiさんの小話、楽しみに読んでいます!』というお声をいただくことも多く、今回、改めてblogにもまとめていくことにしました。 まずは、2023年に書いた第一回の自己紹介から。少しでも皆様の暇つぶしになれば幸いです😂   2023.4 『自己紹介』 いつもInstagramをご覧いただき、ありがとうございます😊夫のインスタライブをご覧いただいたことがある方や、イベント等でお会いしたことがある方はご存知かもしれませんが、実は以前から内村眼鏡店、内村時計店に携わっています。 コロナも落ち着き、ようやく海外との行き来がしやすくなってきましたね。メガネ業界に来る前は、仕事で年間100日ほど海外で過ごすこともある生活でした。 現在は絶賛双子育児中で、まったく身動きがとれないため、海外欲が高まり、少しウズウズもしています。 これまで仕事やプライベートで27カ国を訪れました。初めての海外は中国で、大学ではカナダに留学。学生時代は長期休暇のたびに航空券だけ予約をして、ホテルは現地で探すというバックパッカーな旅をしていました😅 社会人になってからはマレーシアに駐在したり、インドに1ヶ月出張したり、30時間くらいかけてヘロヘロになりながら南米に出張したり……。 これから、メガネの投稿の箸休めとして、これまでの海外経験等をゆる〜くお話しできればと思っています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです!

Miki's 小話 『自己紹介』

オプティカルスタイリストのMikiです。 内村眼鏡店の3代目である私ですが、メガネ業界には、メガネ学校を卒業してそのまま業界一筋、という方が多い中、珍しくいくつかの業界を経験し、今に至ります。 『こんな経歴だからこそ出来るご提案があるのではないか……』 Miki's 小話は、そんなことを思うメガネ屋の箸休め的な投稿として、2023年からInstagramでゆるりと始めました。 大変嬉しいことに、ご来店いただいたお客様から『Mikiさんの小話、楽しみに読んでいます!』というお声をいただくことも多く、今回、改めてblogにもまとめていくことにしました。 まずは、2023年に書いた第一回の自己紹介から。少しでも皆様の暇つぶしになれば幸いです😂   2023.4 『自己紹介』 いつもInstagramをご覧いただき、ありがとうございます😊夫のインスタライブをご覧いただいたことがある方や、イベント等でお会いしたことがある方はご存知かもしれませんが、実は以前から内村眼鏡店、内村時計店に携わっています。 コロナも落ち着き、ようやく海外との行き来がしやすくなってきましたね。メガネ業界に来る前は、仕事で年間100日ほど海外で過ごすこともある生活でした。 現在は絶賛双子育児中で、まったく身動きがとれないため、海外欲が高まり、少しウズウズもしています。 これまで仕事やプライベートで27カ国を訪れました。初めての海外は中国で、大学ではカナダに留学。学生時代は長期休暇のたびに航空券だけ予約をして、ホテルは現地で探すというバックパッカーな旅をしていました😅 社会人になってからはマレーシアに駐在したり、インドに1ヶ月出張したり、30時間くらいかけてヘロヘロになりながら南米に出張したり……。 これから、メガネの投稿の箸休めとして、これまでの海外経験等をゆる〜くお話しできればと思っています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです!

『職人の時間』 vol.3 写真家 大杉隼平さん

『職人の時間』 vol.3 写真家 大杉隼平さん

第3回にご出演いただいたのは、写真家の大杉隼平さん。ロンドンで写真を学んだ経験を活かし、国内外で幅広く活動されています。 ご縁あり、一緒にお仕事をさせていただく中で伺った 『写真はコミュニケーション』 という言葉。その言葉に僕自身が時計修理に対する考え方とどこか通じるものを感じました。 良い写真も、良い修理も、技術だけでは辿り着けないことがあるのではないか。 今回はその言葉に込められた意味について、お話を伺っていきたいと思います。

『職人の時間』 vol.3 写真家 大杉隼平さん

第3回にご出演いただいたのは、写真家の大杉隼平さん。ロンドンで写真を学んだ経験を活かし、国内外で幅広く活動されています。 ご縁あり、一緒にお仕事をさせていただく中で伺った 『写真はコミュニケーション』 という言葉。その言葉に僕自身が時計修理に対する考え方とどこか通じるものを感じました。 良い写真も、良い修理も、技術だけでは辿り着けないことがあるのではないか。 今回はその言葉に込められた意味について、お話を伺っていきたいと思います。

『職人の時間』Vol.2 ジュエリー職人 池田 始

『職人の時間』Vol.2 ジュエリー職人 池田 始

第2回にご出演いただいたのは、横浜市中区に工房を構えるIkeda Schmuck @ikedaschmuck の池田始さん。日本でも数少ないオーダージュエリー工房の職人であり、オーナーです。 池田さんは、ベルリンの壁崩壊前年である1988年にドイツへ渡り、混沌の時代の中で宝飾技術を学ばれてきました。 経歴に裏打ちされた確かな技術で、永く使えること、そして次の世代へ受け継がれていくことを想定しながらジュエリーをつくられています。 ただ、私が強く惹かれるのは、その技術以上に、池田さんのスタイルです。それは、ジュエリーをつくるというより、お客様の想いを形づくること。今回は、そんなところに迫ってみたいと思います。  

『職人の時間』Vol.2 ジュエリー職人 池田 始

第2回にご出演いただいたのは、横浜市中区に工房を構えるIkeda Schmuck @ikedaschmuck の池田始さん。日本でも数少ないオーダージュエリー工房の職人であり、オーナーです。 池田さんは、ベルリンの壁崩壊前年である1988年にドイツへ渡り、混沌の時代の中で宝飾技術を学ばれてきました。 経歴に裏打ちされた確かな技術で、永く使えること、そして次の世代へ受け継がれていくことを想定しながらジュエリーをつくられています。 ただ、私が強く惹かれるのは、その技術以上に、池田さんのスタイルです。それは、ジュエリーをつくるというより、お客様の想いを形づくること。今回は、そんなところに迫ってみたいと思います。  

僕が思うNo.1 ラバーベルト『トロピックラバー』

僕が思うNo.1 ラバーベルト『トロピックラバー』

ラバーベルトというと、スポーティでカジュアルなイメージを持たれる方も多いと思います。僕もそのうちの一人で、ラバー特有のカジュアルな雰囲気が、ヴィンテージウォッチやドレッシーな時計と合わせづらかったり、自身のファッションのコーディネートに取り入れづらいと感じていました。 とはいえ、汗をかく暑い季節にレザーベルトをすることは、どうしても不快感があったり、レザーベルト自体を劣化させてしまうことにもつながります。 『もっと上品な雰囲気のラバーベルトがあればなぁ…』 そんな想いを抱えたまま、自分でラバーベルトを使うこともなければ、ウチムラでも一切セレクトしてきませんでした。このラバーベルトに出会うまでは…   『トロピックラバー』 元々、トロピックラバーとは、1950年代〜70年代にかけて、トロピック社というベルトメーカーが製造していたラバーベルトのことで、当時は様々なブランドの時計に幅広く使われていたと言われています。 現在では多くのメーカーがトロピックラバーをリプロダクトしていますが、僕がセレクトしているのは、その中でも特に完成度が高いと感じたフランスメーカーの一本です。 およそ5年前、このラバーベルトを見つけた時はかなりの衝撃でした。 『これならラバーベルトの機能性を活かしながら、時計を上品に楽しむことができる…』 そう思い、すぐにフランスから特別に取り寄せてもらったほどです。 僕が思う、このトロピックラバーの素晴らしい点は大きく3つ。 ラバーベルトらしくない質感 ベルト表面に非常に細かなバスケットチェックの模様が施されています。これによりラバーベルト特有のツルっとした質感が抑えられ、マットで落ち着いた印象に。良い意味で“ラバーらしくない"雰囲気があります。   高い機能性 裏面に施された特徴的な加工、これをワッフル加工といいます。肌との接地面を少なくすることで蒸れにくい構造になっており、また規則的に配置された通気孔によって、汗などの水気が抜けやすくなっています。 素材はフッ素ゴムを使用しているため、特有のしなやかさがあり、肌馴染みも非常に良いです。それでいて耐久性にも優れており、実用面でも非常によく考えられています。   上品さを感じるデザイン ラバーベルトとしては珍しく、時計のラグ側から先端に向かってしっかりとテーパーの効いたデザイン。これによりスポーティすぎず、どこか上品さを感じる仕上がりになっています。 さらに絶妙なのが、ベルトを通すループ部分。ラバーベルトとしては極細めにデザインされており、これが全体の雰囲気を綺麗にまとめてくれています。     ロードマーベル36000 × トロピックラバー 僕がご提案しているヴィンテージセイコーにはもちろん、多くの時計に馴染みやすく、軽やかな抜け感も加えてくれます。   グランドセイコー...

僕が思うNo.1 ラバーベルト『トロピックラバー』

ラバーベルトというと、スポーティでカジュアルなイメージを持たれる方も多いと思います。僕もそのうちの一人で、ラバー特有のカジュアルな雰囲気が、ヴィンテージウォッチやドレッシーな時計と合わせづらかったり、自身のファッションのコーディネートに取り入れづらいと感じていました。 とはいえ、汗をかく暑い季節にレザーベルトをすることは、どうしても不快感があったり、レザーベルト自体を劣化させてしまうことにもつながります。 『もっと上品な雰囲気のラバーベルトがあればなぁ…』 そんな想いを抱えたまま、自分でラバーベルトを使うこともなければ、ウチムラでも一切セレクトしてきませんでした。このラバーベルトに出会うまでは…   『トロピックラバー』 元々、トロピックラバーとは、1950年代〜70年代にかけて、トロピック社というベルトメーカーが製造していたラバーベルトのことで、当時は様々なブランドの時計に幅広く使われていたと言われています。 現在では多くのメーカーがトロピックラバーをリプロダクトしていますが、僕がセレクトしているのは、その中でも特に完成度が高いと感じたフランスメーカーの一本です。 およそ5年前、このラバーベルトを見つけた時はかなりの衝撃でした。 『これならラバーベルトの機能性を活かしながら、時計を上品に楽しむことができる…』 そう思い、すぐにフランスから特別に取り寄せてもらったほどです。 僕が思う、このトロピックラバーの素晴らしい点は大きく3つ。 ラバーベルトらしくない質感 ベルト表面に非常に細かなバスケットチェックの模様が施されています。これによりラバーベルト特有のツルっとした質感が抑えられ、マットで落ち着いた印象に。良い意味で“ラバーらしくない"雰囲気があります。   高い機能性 裏面に施された特徴的な加工、これをワッフル加工といいます。肌との接地面を少なくすることで蒸れにくい構造になっており、また規則的に配置された通気孔によって、汗などの水気が抜けやすくなっています。 素材はフッ素ゴムを使用しているため、特有のしなやかさがあり、肌馴染みも非常に良いです。それでいて耐久性にも優れており、実用面でも非常によく考えられています。   上品さを感じるデザイン ラバーベルトとしては珍しく、時計のラグ側から先端に向かってしっかりとテーパーの効いたデザイン。これによりスポーティすぎず、どこか上品さを感じる仕上がりになっています。 さらに絶妙なのが、ベルトを通すループ部分。ラバーベルトとしては極細めにデザインされており、これが全体の雰囲気を綺麗にまとめてくれています。     ロードマーベル36000 × トロピックラバー 僕がご提案しているヴィンテージセイコーにはもちろん、多くの時計に馴染みやすく、軽やかな抜け感も加えてくれます。   グランドセイコー...