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Vintage Watch Fair in YOKOHAMA

Vintage Watch Fair in YOKOHAMA

 Vintage Watch Fair in YOKOHAMA 12月7日(土)~22日(日)、横浜元町の当店にてヴィンテージウォッチフェアを開催いたします。 横浜で創業80年、内村時計店の3代目として多くの時計修理に携わらせていただいた経験から『安心して永く楽しめる』をコンセプトに「丈夫なムーヴメントを使用している」「今後も修理可能な仕組み作りが出来る」等、時計修理技師ならではの視点から、永く愛着を持って楽しめるヴィンテージウォッチをセレクトしております。メンテナンスからご提案、アフタフォローまで、時計修理技師の私が一貫して行なっておりますので、安心してお楽しみいただけます。 Vintage Seiko、Cartier Must Tank、Ladies OMEGA、素晴らしいモノづくりのヴィンテージウォッチが並びます。ありがたいことに、大変ご好評いただいており、普段はなかなかラインナップが揃った状態でご覧いただける機会も少ないので、ぜひお楽しみいただければと思います。イベント期間中は、ベルトの特典もございます。 その他、詳細はInstagram (@tokei.taro) にてお知らせしております。 ※イベント前につき、Webサイトの在庫は一旦Sold Out になっております

Vintage Watch Fair in YOKOHAMA

 Vintage Watch Fair in YOKOHAMA 12月7日(土)~22日(日)、横浜元町の当店にてヴィンテージウォッチフェアを開催いたします。 横浜で創業80年、内村時計店の3代目として多くの時計修理に携わらせていただいた経験から『安心して永く楽しめる』をコンセプトに「丈夫なムーヴメントを使用している」「今後も修理可能な仕組み作りが出来る」等、時計修理技師ならではの視点から、永く愛着を持って楽しめるヴィンテージウォッチをセレクトしております。メンテナンスからご提案、アフタフォローまで、時計修理技師の私が一貫して行なっておりますので、安心してお楽しみいただけます。 Vintage Seiko、Cartier Must Tank、Ladies OMEGA、素晴らしいモノづくりのヴィンテージウォッチが並びます。ありがたいことに、大変ご好評いただいており、普段はなかなかラインナップが揃った状態でご覧いただける機会も少ないので、ぜひお楽しみいただければと思います。イベント期間中は、ベルトの特典もございます。 その他、詳細はInstagram (@tokei.taro) にてお知らせしております。 ※イベント前につき、Webサイトの在庫は一旦Sold Out になっております

Cartier Must Tank Quartz

Cartier Must Tank Quartz

時計修理技師視点でセレクトする『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』5年ぶりの新ラインナップ 「ヴィンテージウォッチが壊れてしまい、購入したお店でも直らなくて…」「壊れてしまわないか不安で…」 これまで時計修理技師として、そういったご相談を数多く受けてきた中で『もっと安心して楽しめるヴィンテージウォッチがあったら、すごく意義のあることなのではないか…』 そんな想いをきっかけに5年前からスタートしたヴィンテージウォッチのご提案。 『安心して永く楽しめる』をコンセプトに、これまでの時計修理経験から"丈夫なムーヴメントが使用されている" "今後も修理が可能"など、時計修理技師ならではの視点からセレクトし、併せて直せる環境・技術を用意しています。 これまではヴィンテージセイコーと、レディースオメガのご提案でしたが、5年ぶりに新たにラインナップに加わるのは、カルティエのマストタンク。 セレクトしたのはマストタンクSM(27mm×20mm)とLM(30mm×23mm)サイズ。2つのサイズ差は縦横共におよそ3mm。ラグジュアリーで、アクセサリー要素の強い時計なので、この大きさの差であれば、サイズに関してはお好みで選んでいただいて良いかと思います。 女性はスタイルやお好みに応じてSMかLMを選ばれたり、男性はLMサイズを上品なスタイリングで付けこなしたり、ご夫婦やパートナーでLMを共有するということも…そんな楽しみ方の多いサイズ感だと思います。   クォーツ(電池式)のみをセレクトした理由 シリーズの中でも取り扱いはクォーツ(電池式時計)のみとなります。これまで多くのマストタンククォーツの修理を承ってきましたが、シンプルな構造が特徴で、一つ一つのパーツも丈夫なため、それゆえに故障の少ない丈夫なムーヴメントだと感じていました。また、今後の修理部品確保の仕組みづくりが僕の方で出来ると判断し、セレクトにいたりました。 マストタンクについては、手巻きの機械式モデルも存在します。あくまで僕の修理経験からの個人的見解ですが、永く楽しむという面(ムーヴメントの消耗具合など)では、機械式であればヴィンテージセイコーや、ヴィンテージレディースオメガに軍配が上がると感じたため、クォーツのみのセレクトになっております。 永久に使うことが出来るモノは存在しないわけですが、僕が携わっているヴィンテージウォッチというくくりの中において、出来る限り永く楽しめるという視点では、素晴らしいと感じるムーヴメントです。   カルティエの普遍的なデザイン ムーヴメントのクオリティの高さは、お話ししてきた通りですが、100年以上変わらずに愛されてきた普遍的なデザインも秀逸です。マストタンクはベルトの延長線上にダイヤル(文字盤)を収めるという、直線的で無駄のないデザインが特徴で、現代のファッションに合わせて楽しむという面でも、とても素晴らしい時計だと思います。  マストタンク、アイボリーローマン。こちらも100年以上変わらず愛されてきたカルティエウォッチのアイコンともいえる文字盤。ベルトによって、ラグジュアリーにも、カジュアルにも合わせられる一本です。   ベルトによる楽しみ シンプルな分、装着するベルトによって雰囲気を大きく変えられるのも、カルティエマストタンクの楽しみの一つだと思います。カルティエマストタンクのベルト幅、尾錠幅は特殊で、現代では選択肢が少ないため、職人と特注でカルティエマストタンク専用のベルトを製作をいたしました。カルティエの純正尾錠も取り付けが出来ます。 ケースからのラインの流れを切らないようフラットな形状に。職人が手縫いで仕上げているベルトですが、クラフト感を残しつつも、丁寧な仕上げで上質な雰囲気に仕上がっています。カラーバリエーションも、すごく素敵に仕上がったと感じています。   カルティエマストタンククォーツのメンテナンスについて どんなにモノづくりの素晴らしい時計であったとしても、メンテナンスをかかしては永く楽しむことは難しくなってきます。クォーツ時計も機械式と同じく歯車を使用していますし、防水性の面でも4年に一度のオーバーホールがとても大切です。 定期的なオーバーホールのハードルを少しでも下げられるよう、当店でご購入いただいたものについては、オーバーホール料金を通常のご依頼に比べてお安く設定しております。 また、クォーツはおよそ2ねんに一度の電池交換が必要ですが、ご購入いただいたものについては無料で交換を承っております。ぜひご相談いただき、電池交換のタイミングを安心して楽しむための点検機会にしていただけたらと思います。 ヴィンテージウォッチに限らずですが、およそ50年以上経ったモノにおいて、使う中でのトラブルを完全に0にすることは難しいと思います。 ですが、そのトラブルを出来る限り起きにくくすること、また起きた時に直せる技術と環境を整えておくこと。それが時計修理技師である僕の役割だと考えております。 皆様がヴィンテージウォッチを安心して楽しむためのお手伝いが出来れば幸いです。...

Cartier Must Tank Quartz

時計修理技師視点でセレクトする『安心して永く楽しめるヴィンテージウォッチ』5年ぶりの新ラインナップ 「ヴィンテージウォッチが壊れてしまい、購入したお店でも直らなくて…」「壊れてしまわないか不安で…」 これまで時計修理技師として、そういったご相談を数多く受けてきた中で『もっと安心して楽しめるヴィンテージウォッチがあったら、すごく意義のあることなのではないか…』 そんな想いをきっかけに5年前からスタートしたヴィンテージウォッチのご提案。 『安心して永く楽しめる』をコンセプトに、これまでの時計修理経験から"丈夫なムーヴメントが使用されている" "今後も修理が可能"など、時計修理技師ならではの視点からセレクトし、併せて直せる環境・技術を用意しています。 これまではヴィンテージセイコーと、レディースオメガのご提案でしたが、5年ぶりに新たにラインナップに加わるのは、カルティエのマストタンク。 セレクトしたのはマストタンクSM(27mm×20mm)とLM(30mm×23mm)サイズ。2つのサイズ差は縦横共におよそ3mm。ラグジュアリーで、アクセサリー要素の強い時計なので、この大きさの差であれば、サイズに関してはお好みで選んでいただいて良いかと思います。 女性はスタイルやお好みに応じてSMかLMを選ばれたり、男性はLMサイズを上品なスタイリングで付けこなしたり、ご夫婦やパートナーでLMを共有するということも…そんな楽しみ方の多いサイズ感だと思います。   クォーツ(電池式)のみをセレクトした理由 シリーズの中でも取り扱いはクォーツ(電池式時計)のみとなります。これまで多くのマストタンククォーツの修理を承ってきましたが、シンプルな構造が特徴で、一つ一つのパーツも丈夫なため、それゆえに故障の少ない丈夫なムーヴメントだと感じていました。また、今後の修理部品確保の仕組みづくりが僕の方で出来ると判断し、セレクトにいたりました。 マストタンクについては、手巻きの機械式モデルも存在します。あくまで僕の修理経験からの個人的見解ですが、永く楽しむという面(ムーヴメントの消耗具合など)では、機械式であればヴィンテージセイコーや、ヴィンテージレディースオメガに軍配が上がると感じたため、クォーツのみのセレクトになっております。 永久に使うことが出来るモノは存在しないわけですが、僕が携わっているヴィンテージウォッチというくくりの中において、出来る限り永く楽しめるという視点では、素晴らしいと感じるムーヴメントです。   カルティエの普遍的なデザイン ムーヴメントのクオリティの高さは、お話ししてきた通りですが、100年以上変わらずに愛されてきた普遍的なデザインも秀逸です。マストタンクはベルトの延長線上にダイヤル(文字盤)を収めるという、直線的で無駄のないデザインが特徴で、現代のファッションに合わせて楽しむという面でも、とても素晴らしい時計だと思います。  マストタンク、アイボリーローマン。こちらも100年以上変わらず愛されてきたカルティエウォッチのアイコンともいえる文字盤。ベルトによって、ラグジュアリーにも、カジュアルにも合わせられる一本です。   ベルトによる楽しみ シンプルな分、装着するベルトによって雰囲気を大きく変えられるのも、カルティエマストタンクの楽しみの一つだと思います。カルティエマストタンクのベルト幅、尾錠幅は特殊で、現代では選択肢が少ないため、職人と特注でカルティエマストタンク専用のベルトを製作をいたしました。カルティエの純正尾錠も取り付けが出来ます。 ケースからのラインの流れを切らないようフラットな形状に。職人が手縫いで仕上げているベルトですが、クラフト感を残しつつも、丁寧な仕上げで上質な雰囲気に仕上がっています。カラーバリエーションも、すごく素敵に仕上がったと感じています。   カルティエマストタンククォーツのメンテナンスについて どんなにモノづくりの素晴らしい時計であったとしても、メンテナンスをかかしては永く楽しむことは難しくなってきます。クォーツ時計も機械式と同じく歯車を使用していますし、防水性の面でも4年に一度のオーバーホールがとても大切です。 定期的なオーバーホールのハードルを少しでも下げられるよう、当店でご購入いただいたものについては、オーバーホール料金を通常のご依頼に比べてお安く設定しております。 また、クォーツはおよそ2ねんに一度の電池交換が必要ですが、ご購入いただいたものについては無料で交換を承っております。ぜひご相談いただき、電池交換のタイミングを安心して楽しむための点検機会にしていただけたらと思います。 ヴィンテージウォッチに限らずですが、およそ50年以上経ったモノにおいて、使う中でのトラブルを完全に0にすることは難しいと思います。 ですが、そのトラブルを出来る限り起きにくくすること、また起きた時に直せる技術と環境を整えておくこと。それが時計修理技師である僕の役割だと考えております。 皆様がヴィンテージウォッチを安心して楽しむためのお手伝いが出来れば幸いです。...

視力測定について

視力測定について

たまにお客様から「お店では視力測定出来ますか?」と聞かれることがありますが、もちろん視力測定可能です! 快適なメガネをお作り頂く中で、視力測定はとても重要なプロセスの一つです。単純に『よく見える度数』を出すことは、自動の機械でも出来てしまう今の時代ですが『よく見える度数』と『快適で使いやすい度数』は違います。 私たちは、後者の度数を出すための詳細な測定を心掛け、快適で使いやすいメガネをお作りいただくことを目指しています。視力測定の流れはこんな感じです。   Step1: 現状の確認   現在お使いのメガネ・コンタクトレンズを着用しての視力測定、およびその度数を確認いたします。 測定結果を参考にしながら、現状よりも見えた方がいいのか、それとも同じくらいの見え方が良いのか等、お話しをさせて頂きます。 メガネについては、お使いの物をお待ちいただければ、その場で度数の確認が可能です。もし、ご購入時のデータがあればより確実ですので、お知らせ下さい。コンタクトレンズについても、度数を参考にさせて頂きますので、可能であれば度数をお知らせ下さい。   Step2:ヒアリング お作りいただくメガネの着用シーンについてヒアリングいたします。 お客様によって、メガネをお作りになりたい理由は様々です。 ・初めてしっかりとしたいいメガネを作りたい ・見づらく不便なので新調したい ・近くが見づらくなってきた ・デスクワーク用のメガネが欲しい ・度入りのサングラスを作りたい、等 着用シーンによって最適な度数は違うため、ヒアリングが特に重要だと考えています。何か気になることがあれば、些細なことでもお気軽にご相談ください。お客様のライフスタイルに合ったレンズをご提案致します。   Step3:オートレフラクトメーターでの測定 こちらの機械で、おおまかな度数をお調べいたします。覗き込んでいただくと、赤い屋根の家が見えますので、リラックスしてご覧になって下さい。   Step4:視力測定 遠くの度数を測定 ここからフォロプターという機械で、さらに詳しく視力測定をしていきます。  乱視が確認された場合には、乱視度数の確認をします。    ひらがなを用いての視力測定します。  ...

視力測定について

たまにお客様から「お店では視力測定出来ますか?」と聞かれることがありますが、もちろん視力測定可能です! 快適なメガネをお作り頂く中で、視力測定はとても重要なプロセスの一つです。単純に『よく見える度数』を出すことは、自動の機械でも出来てしまう今の時代ですが『よく見える度数』と『快適で使いやすい度数』は違います。 私たちは、後者の度数を出すための詳細な測定を心掛け、快適で使いやすいメガネをお作りいただくことを目指しています。視力測定の流れはこんな感じです。   Step1: 現状の確認   現在お使いのメガネ・コンタクトレンズを着用しての視力測定、およびその度数を確認いたします。 測定結果を参考にしながら、現状よりも見えた方がいいのか、それとも同じくらいの見え方が良いのか等、お話しをさせて頂きます。 メガネについては、お使いの物をお待ちいただければ、その場で度数の確認が可能です。もし、ご購入時のデータがあればより確実ですので、お知らせ下さい。コンタクトレンズについても、度数を参考にさせて頂きますので、可能であれば度数をお知らせ下さい。   Step2:ヒアリング お作りいただくメガネの着用シーンについてヒアリングいたします。 お客様によって、メガネをお作りになりたい理由は様々です。 ・初めてしっかりとしたいいメガネを作りたい ・見づらく不便なので新調したい ・近くが見づらくなってきた ・デスクワーク用のメガネが欲しい ・度入りのサングラスを作りたい、等 着用シーンによって最適な度数は違うため、ヒアリングが特に重要だと考えています。何か気になることがあれば、些細なことでもお気軽にご相談ください。お客様のライフスタイルに合ったレンズをご提案致します。   Step3:オートレフラクトメーターでの測定 こちらの機械で、おおまかな度数をお調べいたします。覗き込んでいただくと、赤い屋根の家が見えますので、リラックスしてご覧になって下さい。   Step4:視力測定 遠くの度数を測定 ここからフォロプターという機械で、さらに詳しく視力測定をしていきます。  乱視が確認された場合には、乱視度数の確認をします。    ひらがなを用いての視力測定します。  ...

海外から見たVintage SEIKO

海外から見たVintage SEIKO

SEIKOの世界への挑戦とGrand Seikoの誕生 懐中時計と、輸入されたわずかな海外製腕時計しかなかった大正時代初期。SEIKO(当時はまだ別名)は1913年に国産初の腕時計『LAUREL(ローレル)』を誕生させました。 それからおよそ50年、スイス製が高品質・最高級腕時計の代名詞とされていた1960年。SEIKOは培ってきた技術を結集し『世界に挑戦する国産最高級の腕時計』としてGrand Seikoを誕生させました。"正確な時を示す"という時計の本質を追求し続け、1960年後半には機械式腕時計の精度を争う世界コンクールで頂点に。 その時に使用された機構がハイビートと呼ばれるもので、これ以降、腕時計の精度は飛躍的に上がっていきました。ごく簡潔にハイビートを説明すると、時計内部のある部品の振動数を上げることで、時計が姿勢変化による重力の影響を受けにくくなるため、精度が安定するという仕組みです。身近なもので言えば、コマは早く回っていると安定しますが、ゆっくりになると不安定になってくる、そんなイメージ。 僕がセレクトしているVintage SEIKOのモデルも全てハイビートです。国産初のハイビートモデルとして1967年に発売された『ロードマーベル36000』や、国産初の自動巻ハイビートモデルである61系グランドセイコーなど、ハイビートでありながら耐久性が高いものを、時計修理技師としての経験からセレクトしています。 『LORDMARVEL36000』 『61系Grand Seiko』  それからさらに50年経った現在、世界的なSEIKOの評価は高く、世界最大級の高級時計マーケットプレイスでも3位のシェアを誇るとのこと。 僕自身もVintage SEIKOのご提案を行っている中で、海外からオーダーをいただくことがあり、SEIKOに対する海外からの高い評価を肌身で感じています。    藤戸さん、ジュネーブへ 昨年に続き、10月5日(土)からVintage SEIKO Fair in 福岡を開催させていただく『Directors(FUJITO Flagship Store)』さん。FUJITOは20年以上続く福岡発のアパレルブランドで、海外にも展開されています。 今回、その代表である藤戸さんが、偶然にも時計の街であるスイスのジュネーブにてトランクショーを行うということで、僕が提案しているヴィンテージグランドセイコーを着用していただき、現地の方の実際の評価や、イメージを聞いてきていただきました。  藤戸さんに選んでいただいたのは、自動巻ながら薄さと軽さが特徴の『56系グランドセイコー』。ベルトは綺麗めカジュアルな印象のエプソンレザーのブラックを選択。「グランドセイコーだけど、過度に主張する感じがなく、渋くていいですよね〜」と藤戸さん。 前述にもある通り、世界最大級の高級時計マーケットプレイスでも、世界3位のシェアを誇るというSEIKOなので、海外でも有名であることはわかっていましたが、藤戸さんとのお話の中で共に驚いたことは「ヴィンテージグランドセイコーか!良い時計してるね!」と声をかけられたということ。現行品であれば想像出来た反応ですが、ヴィンテージでそれがあるとは…そこまでの認知に驚きでした。 ジュネーブの街には、わりとヴィンテージウォッチ店は多くあるものの、ヴィンテージグランドセイコーの実物を見れることはほとんどないようです。 気になる評価としては、まずモノづくりがすごく良いということと、そのクオリティに対しての価格がとても安いというイメージがあるそうです。これについては、藤戸さんがご自身のブランドFUJITO(Made in Japan)に対する海外からの評価とかなり似ているとのことで、改めて日本のモノづくりの良さを感じられる出来事でした。...

海外から見たVintage SEIKO

SEIKOの世界への挑戦とGrand Seikoの誕生 懐中時計と、輸入されたわずかな海外製腕時計しかなかった大正時代初期。SEIKO(当時はまだ別名)は1913年に国産初の腕時計『LAUREL(ローレル)』を誕生させました。 それからおよそ50年、スイス製が高品質・最高級腕時計の代名詞とされていた1960年。SEIKOは培ってきた技術を結集し『世界に挑戦する国産最高級の腕時計』としてGrand Seikoを誕生させました。"正確な時を示す"という時計の本質を追求し続け、1960年後半には機械式腕時計の精度を争う世界コンクールで頂点に。 その時に使用された機構がハイビートと呼ばれるもので、これ以降、腕時計の精度は飛躍的に上がっていきました。ごく簡潔にハイビートを説明すると、時計内部のある部品の振動数を上げることで、時計が姿勢変化による重力の影響を受けにくくなるため、精度が安定するという仕組みです。身近なもので言えば、コマは早く回っていると安定しますが、ゆっくりになると不安定になってくる、そんなイメージ。 僕がセレクトしているVintage SEIKOのモデルも全てハイビートです。国産初のハイビートモデルとして1967年に発売された『ロードマーベル36000』や、国産初の自動巻ハイビートモデルである61系グランドセイコーなど、ハイビートでありながら耐久性が高いものを、時計修理技師としての経験からセレクトしています。 『LORDMARVEL36000』 『61系Grand Seiko』  それからさらに50年経った現在、世界的なSEIKOの評価は高く、世界最大級の高級時計マーケットプレイスでも3位のシェアを誇るとのこと。 僕自身もVintage SEIKOのご提案を行っている中で、海外からオーダーをいただくことがあり、SEIKOに対する海外からの高い評価を肌身で感じています。    藤戸さん、ジュネーブへ 昨年に続き、10月5日(土)からVintage SEIKO Fair in 福岡を開催させていただく『Directors(FUJITO Flagship Store)』さん。FUJITOは20年以上続く福岡発のアパレルブランドで、海外にも展開されています。 今回、その代表である藤戸さんが、偶然にも時計の街であるスイスのジュネーブにてトランクショーを行うということで、僕が提案しているヴィンテージグランドセイコーを着用していただき、現地の方の実際の評価や、イメージを聞いてきていただきました。  藤戸さんに選んでいただいたのは、自動巻ながら薄さと軽さが特徴の『56系グランドセイコー』。ベルトは綺麗めカジュアルな印象のエプソンレザーのブラックを選択。「グランドセイコーだけど、過度に主張する感じがなく、渋くていいですよね〜」と藤戸さん。 前述にもある通り、世界最大級の高級時計マーケットプレイスでも、世界3位のシェアを誇るというSEIKOなので、海外でも有名であることはわかっていましたが、藤戸さんとのお話の中で共に驚いたことは「ヴィンテージグランドセイコーか!良い時計してるね!」と声をかけられたということ。現行品であれば想像出来た反応ですが、ヴィンテージでそれがあるとは…そこまでの認知に驚きでした。 ジュネーブの街には、わりとヴィンテージウォッチ店は多くあるものの、ヴィンテージグランドセイコーの実物を見れることはほとんどないようです。 気になる評価としては、まずモノづくりがすごく良いということと、そのクオリティに対しての価格がとても安いというイメージがあるそうです。これについては、藤戸さんがご自身のブランドFUJITO(Made in Japan)に対する海外からの評価とかなり似ているとのことで、改めて日本のモノづくりの良さを感じられる出来事でした。...

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 前編

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 前編

藤戸剛さんは、ブランド「FUJITO」の創業者でありデザイナー、また福岡や九州地域を代表するクリエイターです。「thought」という合同展示会や「BLEND MARKET」のディレクターも務め、多岐にわたる分野でご活躍されています。 FUJITO    アパレル業界が不況とされる中「FUJITO」は20年以上続いており、ここまで長くブランドを維持し、お客様から愛され続けている理由は一体何なのでしょうか。来年で創業80年を迎える内村時計店3代目である内村太郎が、100年に向けての示唆を得るため、その秘訣に迫ろうと思います。 ブランド「FUJITO」立ち上げの経緯を簡単にお聞かせいただけますか? 藤戸さん(以下、敬称略) 僕は前職でドゥニームの販売代行の会社にいました。ショップの店長だったので、モノづくりにはノータッチで、ただひたすらにお店を運営しているという状況でしたね。そこでの最後の一年くらいかな、事務所を友達とシェアオフィスのようして、仕事終わり夜な夜な集まってはシルクスクリーンTシャツなどを作って、それを友達に売ったりとかってことをやっていたんですよ。その時はFUJITOってブランド名ではなかったんですけどね。まぁまだ遊んでたってことだよね。   そんな中で勤めていたお店が閉店するってなった時に、先輩方から「藤戸くんはこの後何するの?」みたいなことを言っていただき「ちょっと決めてないですね」ってお伝えすると「いやいや、ブランドやるんでしょ〜」みたいな感じになって始まったのがきっかけですね。   内村 ブランドを立ち上げるために集まってモノづくりをしていたわけではなかったのですね?   藤戸 そうですね、僕はいわゆるデザイン学校にも行っていないので。服好きが販売員をやっていて、お店がなくなったから自分でブランドを立ち上げたってことですね。   内村 よく聞くようなデザイナー業を学ばずに始められたということですか?   藤戸 そう、いわゆる普通の大学に行って、合コンしたりして。デザインの勉強みたいなことはやっていなかったけど、販売が好きだったから、10代の頃からお客様への接客に関することは割と長いことやらせてもらっていました。むしろ、僕の周りでブランドをやっている人間は、デザイン学校卒ってあんまりいないんですよ。僕は販売員上がりの人としか戯れてないんです。(笑)   内村 販売員上がりでブランドを立ち上げるってすごいですよね。そういうことって出来るものなんですね!?   藤戸 いずれにせよブランドを立ち上げるのは難しいことだとは思うのですが、学校を出ているから近道っていうこともなくて。僕の場合は作っている洋服がカジュアルで、それを『リアルクローズ』と呼んでます。『必要たる洋服』を作っているので別に学校で勉強することってそんなにないんですよね。古着を知っているかどうかみたいなことはあると思うし、モノづくりに関してはもしかしたらそっちの方がいいのかもしれないですけど、企画して生産を工場さんやパタンナーさんと話すとかって形になると、それを学校で教えてもらえるかというと、また違うかなと思うんですよ。もちろん自分で縫うなら別ですけど。つまり、モードのブランドをやりたいんだったら、そういう道もなくはないと思うんですけどね。 内村 とても興味深いお話ですね。「リアルクローズ」というところがポイントで、モードとは違ったモノづくり側からのアプローチがそれを可能にさせているということですかね。...

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 前編

藤戸剛さんは、ブランド「FUJITO」の創業者でありデザイナー、また福岡や九州地域を代表するクリエイターです。「thought」という合同展示会や「BLEND MARKET」のディレクターも務め、多岐にわたる分野でご活躍されています。 FUJITO    アパレル業界が不況とされる中「FUJITO」は20年以上続いており、ここまで長くブランドを維持し、お客様から愛され続けている理由は一体何なのでしょうか。来年で創業80年を迎える内村時計店3代目である内村太郎が、100年に向けての示唆を得るため、その秘訣に迫ろうと思います。 ブランド「FUJITO」立ち上げの経緯を簡単にお聞かせいただけますか? 藤戸さん(以下、敬称略) 僕は前職でドゥニームの販売代行の会社にいました。ショップの店長だったので、モノづくりにはノータッチで、ただひたすらにお店を運営しているという状況でしたね。そこでの最後の一年くらいかな、事務所を友達とシェアオフィスのようして、仕事終わり夜な夜な集まってはシルクスクリーンTシャツなどを作って、それを友達に売ったりとかってことをやっていたんですよ。その時はFUJITOってブランド名ではなかったんですけどね。まぁまだ遊んでたってことだよね。   そんな中で勤めていたお店が閉店するってなった時に、先輩方から「藤戸くんはこの後何するの?」みたいなことを言っていただき「ちょっと決めてないですね」ってお伝えすると「いやいや、ブランドやるんでしょ〜」みたいな感じになって始まったのがきっかけですね。   内村 ブランドを立ち上げるために集まってモノづくりをしていたわけではなかったのですね?   藤戸 そうですね、僕はいわゆるデザイン学校にも行っていないので。服好きが販売員をやっていて、お店がなくなったから自分でブランドを立ち上げたってことですね。   内村 よく聞くようなデザイナー業を学ばずに始められたということですか?   藤戸 そう、いわゆる普通の大学に行って、合コンしたりして。デザインの勉強みたいなことはやっていなかったけど、販売が好きだったから、10代の頃からお客様への接客に関することは割と長いことやらせてもらっていました。むしろ、僕の周りでブランドをやっている人間は、デザイン学校卒ってあんまりいないんですよ。僕は販売員上がりの人としか戯れてないんです。(笑)   内村 販売員上がりでブランドを立ち上げるってすごいですよね。そういうことって出来るものなんですね!?   藤戸 いずれにせよブランドを立ち上げるのは難しいことだとは思うのですが、学校を出ているから近道っていうこともなくて。僕の場合は作っている洋服がカジュアルで、それを『リアルクローズ』と呼んでます。『必要たる洋服』を作っているので別に学校で勉強することってそんなにないんですよね。古着を知っているかどうかみたいなことはあると思うし、モノづくりに関してはもしかしたらそっちの方がいいのかもしれないですけど、企画して生産を工場さんやパタンナーさんと話すとかって形になると、それを学校で教えてもらえるかというと、また違うかなと思うんですよ。もちろん自分で縫うなら別ですけど。つまり、モードのブランドをやりたいんだったら、そういう道もなくはないと思うんですけどね。 内村 とても興味深いお話ですね。「リアルクローズ」というところがポイントで、モードとは違ったモノづくり側からのアプローチがそれを可能にさせているということですかね。...

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 後編

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 後編

  ブランドが成功する上で、人間性やストーリー性も大きな影響を与えると思っております。 藤戸さんのブランド「FUJITO」における人間性やストーリー性について教えていただけますか?   藤戸  ないですね〜 。人間性とかってメディアとかの後付けですしね。 見た目とか方言が面白いとかは正直どうでもいいと思っていますね。 結局は物じゃないですか。物にパワーがあって売れないことにはどうにもならない。 僕らに対してめっちゃオモロイ奴がいるって評価してくれたとしても、作る服が着れないってなれば意味がないでしょ。   内村  確かにそうですよね。 背景やストーリー、哲学などはブランドを作り上げていく上で積み上がっていくものですもんね。   藤戸  まあね。そもそもブランドが存在していなかったら興味なんか湧かないでしょ。 だから卵が先か鶏が先かの話になってくるわけで、やっぱり僕は物ありきでフューチャーして欲しいんですよ。 物にフューチャーしてもらうために、僕らはこうやって表に出て行かなきゃいけないというだけの話です。 その上で僕の人間性を評価してもらって、ちょっと行ってみようかなと思ってくれる方が1人でも増えるのなら、それは嬉しいですけど。   内村  人間性やストーリー性に本質が存在するのではなく、あくまで物に本質を求めているので、プラスα程度ということになるのですね。   藤戸  そう考えています。 僕は有名人でもないですし、なりたいわけでもないですしね。 服売って流通やってますからね。 僕が売れてもしょうがないですよ。(笑)  仰る通りで、ブランドの知名度が上がってきたところで質問された時の答えが、人によっては面白く聞こえたり、そういう背景があったとは素晴らしいですね〜的な感じになってるだけですよね。みんなそうだと思いますけどね。...

藤戸剛【FUJITOデザイナー】× 内村太郎【内村時計店3代目】スペシャル対談 後編

  ブランドが成功する上で、人間性やストーリー性も大きな影響を与えると思っております。 藤戸さんのブランド「FUJITO」における人間性やストーリー性について教えていただけますか?   藤戸  ないですね〜 。人間性とかってメディアとかの後付けですしね。 見た目とか方言が面白いとかは正直どうでもいいと思っていますね。 結局は物じゃないですか。物にパワーがあって売れないことにはどうにもならない。 僕らに対してめっちゃオモロイ奴がいるって評価してくれたとしても、作る服が着れないってなれば意味がないでしょ。   内村  確かにそうですよね。 背景やストーリー、哲学などはブランドを作り上げていく上で積み上がっていくものですもんね。   藤戸  まあね。そもそもブランドが存在していなかったら興味なんか湧かないでしょ。 だから卵が先か鶏が先かの話になってくるわけで、やっぱり僕は物ありきでフューチャーして欲しいんですよ。 物にフューチャーしてもらうために、僕らはこうやって表に出て行かなきゃいけないというだけの話です。 その上で僕の人間性を評価してもらって、ちょっと行ってみようかなと思ってくれる方が1人でも増えるのなら、それは嬉しいですけど。   内村  人間性やストーリー性に本質が存在するのではなく、あくまで物に本質を求めているので、プラスα程度ということになるのですね。   藤戸  そう考えています。 僕は有名人でもないですし、なりたいわけでもないですしね。 服売って流通やってますからね。 僕が売れてもしょうがないですよ。(笑)  仰る通りで、ブランドの知名度が上がってきたところで質問された時の答えが、人によっては面白く聞こえたり、そういう背景があったとは素晴らしいですね〜的な感じになってるだけですよね。みんなそうだと思いますけどね。...